難治性脈管異常の個別化医療実現のための
診断システムの構築
脈管異常は希少疾患が多く、診断が確定するまでに時間を要します。本研究班は、遺伝子解析の結果を全国の専門家で持ち寄り、診断と治療方針を検討する仕組みをつくっています。班名の「VA-EP」は、Vascular Anomaly Expert Panel(脈管異常エキスパートパネル)の略で、この専門家による合議のしくみを指します。
医師・研究者の方へ
なぜ診断が難しいのか
脈管異常の多くは希少疾患であり、確定診断に難渋する症例が少なくありません。原因となる遺伝子変異の多くは病変部位にのみ存在する体細胞モザイク変異で、変異アレル頻度(VAF)が極めて低いため、一般的な遺伝子検査では検出できないことがあります。
そこで本研究班は、CD31 ソーティングで病変の内皮細胞を濃縮する方法や、血中を流れる DNA(cfDNA)を用いた検査を整備しています。得られた結果は、臨床・画像・病理・遺伝子の各専門家が参加するエキスパートパネルで検討し、診断と治療方針を決めます。
最新のお知らせ
研究班について
研究の目的と体制、そして実際に用いる解析手法。
研究の概要
- 研究名称
- 難治性脈管異常の個別化医療実現のための診断システムの構築
- 研究代表者
- 小関 道夫(岐阜大学大学院医学系研究科 小児科学 臨床准教授)
- 採択事業
- AMED 難治性疾患実用化研究事業
課題番号 26ek0109864h0001 - 研究期間
- 研究機関の長の研究実施許可日 〜 2032年3月31日
- 研究デザイン
- 多機関共同観察研究およびヒトゲノム・遺伝子解析研究
- 臨床試験登録
- UMIN000062837(UMIN-CTR)
- 連携学会
- 日本血管腫血管奇形学会(JSSVA)
研究の目的
- 脈管異常診断エキスパートパネル(VA-EP)の確立臨床・画像・病理・遺伝情報を統合する多領域専門家による診断パネルを構築し、診断精度の向上と治療方針決定の標準化を図ります。
- 遺伝子解析の標準化FFPE 検体・凍結検体を用いた遺伝子解析の標準手順書(SOP)を作成し、全国で均質な解析を可能にします。
- 高感度変異検出法の開発CD31 ソーティングによる病変内皮細胞濃縮を利用し、低 VAF 変異の高感度検出法を開発します。
- 低侵襲診断法の開発血中遊離 DNA(cfDNA)を用いたリキッドバイオプシーの臨床応用可能性を検討します。
- 遺伝子情報返却モデルの構築患者報告アウトカム(PRO)を用いて返却方法を科学的に比較し、患者中心の返却モデルを構築します。
- 患者・医療者への情報提供患者会との協働による情報発信とシンポジウム開催を行います。
解析に用いる手法
| 区分 | 手法 |
|---|---|
| パネル解析 | Ion AmpliSeq On-Demand パネル等による標的遺伝子解析 |
| 網羅的解析 | 全エクソーム解析(WES)、全ゲノム解析(WGS)、マイクロアレイ解析 |
| 高感度検出 | デジタル PCR 法、CD31 ソーティングによる病変内皮細胞濃縮 |
| 低侵襲診断 | cfDNA を用いたリキッドバイオプシー |
研究協力
NPO法人 日本血管腫・血管奇形患者支援の会(理事長:阿部 香織)
患者・市民参画(PPI)の枠組みで、研究設計および情報公開に協力いただいています。
お断り本研究班が実施する遺伝子解析は研究目的で行うものであり、保険診療としての遺伝子パネル検査ではありません。また、解析結果に基づく治療選択は主治医の判断によるものであり、本研究班は治療の実施・管理を行いません。
対象疾患
ISSVA 分類に基づき、難治性脈管異常(血管腫・脈管奇形)と臨床的に診断された、または強く疑われる患者さんを対象とします。
主な対象疾患


血管性腫瘍





上記に加えて対象となる病態
PROS / CLOVES 症候群(PIK3CA 関連過成長スペクトラム)、症候群性血管奇形(CM-AVM 等、RASA1 / EPHB4)、リンパ管腫症、ゴーハム病、スタージ・ウェーバー症候群、青色ゴムまり様母斑症候群、カサバッハ・メリット現象など、ISSVA 分類に含まれる疾患を幅広く対象とします。
リンパ管奇形に含まれる原発性リンパ浮腫(ISSVA 分類)と遺伝子の関係は、研究ツール Variant Scout(研究班員・参加施設向け)の「Germline バリアント(疾患別)」で詳しく見られます。
各疾患カードをクリックすると、患者・ご家族向けの詳しい解説がある cure-vas.jp へ移動します。
疾患イラストは cure-vas.jp 制作時に本研究班が作成したものです。
用語について
- 脈管異常(VA)
- 血管腫と脈管奇形を包含する総称。Vascular Anomalies
- 血管腫
- 血管内皮細胞の異常増殖による腫瘍性病変。Vascular Tumors
- 脈管奇形
- 血管・リンパ管の構造的異常(細胞増殖を伴わない)。Vascular Malformations
- 体細胞モザイク変異
- 病変部位の細胞にのみ存在する変異。VAF が低く検出が難しい
参加機関・班員
研究代表機関である岐阜大学と、共同研究機関 9 機関の計 10 機関で構成されています。
機関名・研究責任者・担当業務は、倫理審査承認済みの「別紙1 共同研究機関一覧 Ver1.3」(2026年9月2日承認)に準拠しています。
| 研究機関 | 研究責任者 | 担当する研究業務 |
|---|---|---|
| 岐阜大学大学院医学系研究科・医学部/岐阜大学医学部附属病院 研究代表機関 | 小関 道夫 小児科学・臨床准教授 | 研究全体の統括、症例登録、遺伝子解析、エキスパートパネルの運営、データ管理 |
| 東北大学大学院医学系研究科 | 青木 洋子 遺伝医療学分野・教授 | 遺伝子解析、症例登録 |
| 和歌山県立医科大学医学部 | 神人 正寿 皮膚科・教授 | 症例登録、皮膚科領域に関する検討 |
| 北海道大学大学院医学研究院 | 石川 耕資 形成外科学教室・准教授 | 遺伝子解析、症例登録 |
| 防衛医科大学校 | 野崎 太希 放射線医学講座・教授 | 画像診断に関する検討、症例登録 |
| 大阪大学大学院医学系研究科 | 森井 英一 病態病理学・教授 | 病理解析、既存試料の提供 |
| 慶應義塾大学医学部 | 藤野 明浩 小児外科・教授 | 症例登録、外科的治療に関する検討 |
| 信州大学学術研究院医学系 | 杠 俊介 形成再建外科学・教授 | 症例登録 |
| 埼玉県立小児医療センター | 康 勝好 小児がんセンター・センター長 | 症例登録 |
| 独立行政法人国立病院機構大阪医療センター | 廣瀬(堀)由美子 臨床検査科(病理)・科長 | 病理解析、症例登録 |
統計解析
橋本 大哉(独立行政法人国立病院機構名古屋医療センター)に研究協力者として統計解析に関する助言を受けています。個別データの取扱いは行いません。
試料・情報の提供先機関
岐阜大学医学部附属病院、東北大学大学院医学系研究科、北海道大学大学院医学研究院、大阪大学大学院医学系研究科、独立行政法人国立病院機構大阪医療センターの 5 機関です。
症例登録のご案内
医師・研究者の皆様からの症例のご紹介・共同研究のご相談を受け付けています。参加機関以外の医療機関からもご参加いただけます。
登録手続きが完了した施設の担当者の方は、こちらから臨床情報をご入力ください。
準備中ですREDCap のアカウント発行はまだ開始していません。登録をご検討の施設は、研究事務局([email protected])までご一報ください。準備が整い次第ご案内します。
登録の対象
ISSVA 分類に基づき、難治性脈管異常(血管腫・脈管奇形)と臨床的に診断された、または強く疑われる患者さん。リンパ管腫症、ゴーハム病、リンパ管奇形、静脈奇形、動静脈奇形、クリッペル・トレノネー・ウェーバー症候群、スタージ・ウェーバー症候群、青色ゴムまり様母斑症候群、カサバッハ・メリット現象等が含まれます。
診断・治療を目的として、組織検体(凍結組織・FFPE 検体)、血液検体、体液検体(リンパ液・嚢胞液・胸水・腹水等)のいずれかが採取される、またはすでに採取・保存されている症例が対象です。
ご登録までの流れ
- 研究事務局にご連絡症例の概要とご連絡先をお知らせください。対象該当性について事務局よりご返信します。
- 貴施設での手続きのご確認本研究は岐阜大学倫理審査委員会による一括審査の対象です。貴施設で必要となる手続きを事務局よりご案内します。
- 患者さん・ご家族への説明と同意取得同意説明文書を用いてご説明ください。既存試料を用いる場合は情報公開(オプトアウト)により拒否の機会を保障します。
- REDCap への臨床情報の入力・検体のご送付発行されたアカウントで REDCap にログインし、臨床情報をご入力ください。検体は検体搬送専門業者を利用して送付します。
- 解析とエキスパートパネルでの検討遺伝子解析の結果を多領域専門家によるオンライン会議で検討し、診断・治療方針をご返却します。
直接登録が可能な施設
| 機関名 | 都道府県 | 担当科 | 担当分担者 |
|---|---|---|---|
| 岐阜大学医学部附属病院 研究代表機関 | 岐阜県 | 小児科 | 小関 道夫 |
| 東北大学病院 | 宮城県 | 医学系研究科 | 青木 洋子 |
| 和歌山県立医科大学附属病院 | 和歌山県 | 皮膚科学講座 | 神人 正寿 |
| 北海道大学病院 | 北海道 | 医学研究院 形成外科学教室 | 石川 耕資 |
| 防衛医科大学校病院 | 埼玉県 | 放射線医学講座 | 野崎 太希 |
| 大阪大学大学院医学系研究科 | 大阪府 | 病態病理学 | 森井 英一 |
| 慶應義塾大学病院 | 東京都 | 小児外科 ほか多科 | 藤野 明浩 |
| 信州大学医学部附属病院 | 長野県 | 学術研究院医学系 | 杠 俊介 |
| 埼玉県立小児医療センター | 埼玉県 | 小児がんセンター | 康 勝好 |
| 国立病院機構大阪医療センター | 大阪府 | 臨床検査科(病理) | 廣瀬(堀)由美子 |
よくあるご質問
Variant Scout
検出したバリアントの病原性を、複数のデータベースを横断して調べるツールです。エキスパートパネルに症例を出す前の下調べに使えます。
研究班員・参加施設の医師・研究者限定のツールです。ご利用にはパスワードが必要です。
試用期間中です研究班員・参加施設の方に、共通のパスワードを研究事務局からお知らせしています。ご希望の方は研究事務局([email protected])までご連絡ください。
患者情報を入力しないでください患者氏名・患者 ID・生年月日等の個人を特定できる情報は、一切入力しないでください。本ツールはバリアント情報のみを取り扱います。
疾患別の Germline バリアント
生まれつきの遺伝子の変化(germline)で起こる脈管異常について、原著から抽出したバリアントを疾患ごとに一覧にしています。対象は、原発性リンパ浮腫・リンパ異常(St George's 分類の5つの群ごと)、遺伝性出血性毛細血管拡張症(HHT、オスラー病)、毛細血管奇形-動静脈奇形(CM-AVM)、脳海綿状血管奇形(家族性)、家族性静脈奇形(VMCM・グロムス静脈奇形・骨内静脈奇形)の5つです。ISSVA 分類の疾患名を併記し、各変異に症例数と文献を付けました。国内の検査(かずさ遺伝子検査室)で調べられる遺伝子かどうかも示しています。病原性の判定は規則による仮判定を含み、研究班の確認前の内容です。
収載しているデータと更新の記録
データの時点 2026年10月16日 更新(Germline 疾患別ページ)
Variant Scout のデータは、研究班の判定会議(エキスパートパネル)で個々のバリアントを評価するときに、原著論文と公開データベースの情報を疾患・遺伝子ごとに見られるようにすることを目的にしています。診断や治療方針を決めるためのものではありません。原著の報告と公開データベースは増え続けるため、データは定期的に更新し、更新のたびに公開した時点の内容を記録として保存しています。
データの3つの層
- VariantWatch データベース(研究班内)
- 原著論文から抽出したバリアントを、原著の記載のまま保存する研究班内部のデータベースです。抽出したすべての行に確認状況(未確認・確認済み)を持たせ、病原性は「原著の分類」「規則による仮判定」「専門家の判定」を分けて記録します。公開はしていません。
- Variant Scout の公開データ
- VariantWatch データベースから、研究班員が参照しやすい形にまとめて書き出したものです。疾患別の Germline バリアント、体細胞の既知病原性バリアント、ISSVA 分類の疾患と遺伝子の対応表がこれに当たります。
- 外部の公開データベース
- ClinVar・gnomAD・TogoVar などは、検索のたびにその時点の内容を参照します。Variant Scout には保存しません。
Germline と Somatic
- Germline(生殖細胞系列)
- 生まれつき体のすべての細胞にある遺伝子の変化です。血液で調べることができ、親から子へ受け継がれることがあります。HHT、CM-AVM、家族性の脳海綿状血管奇形・静脈奇形、原発性リンパ浮腫の多くがこれに当たります。
- Somatic(体細胞)
- 生まれたあとに体の一部の細胞だけに起きた遺伝子の変化です。病変の組織にしかないため、血液では見つからないことが多く、変異をもつ細胞の割合も数%と低いことがよくあります。孤発性の静脈奇形・リンパ管奇形・動静脈奇形、PIK3CA 関連過成長症候群などがこれに当たります。
収載データ(2026年10月16日時点)
| データ | 内容 | 件数 | 時点 |
|---|---|---|---|
| Germline:原発性リンパ浮腫・リンパ異常 | 原著から抽出し、原著と照合した変異。St George's 分類の群ごと | 436 変異・43 遺伝子・65 文献 | 2026-10-15 照合、10-16 公開 |
| Germline:HHT・CM-AVM・脳海綿状血管奇形・家族性静脈奇形 | 同上。かずさ遺伝子検査室で調べられるかを併記 | 465 変異・12 遺伝子・50 文献 | 2026-10-16 照合・公開 |
| Somatic:既知病原性バリアント | 体細胞モザイクの脈管異常で確立した変異(PIK3CA・TEK・GNAQ など)。ClinVar の分類の変化を確認 | 16 変異・9 遺伝子 | 2026-04-27 ClinVar 確認 |
| ISSVA 分類の疾患と遺伝子 | ISSVA 分類(2014・2018・2025)の疾患と原因遺伝子の対応表 | 対応表 v1.3 | 2026-10-06 |
| 国内検査との対応 | かずさ遺伝子検査室の各検査案内書の報告書対象遺伝子 | 35 件 | 案内書 2026-06-01 版(10-16 確認) |
研究班内の VariantWatch データベースには、2026年10月16日時点で論文 153 本、抽出したバリアント 1,198 行、遺伝子・変異・疾患ごとにまとめたもの 1,111 件が入っています(うち germline 940 件、somatic 126 件、モザイク 20 件、由来不明 25 件)。すべて研究班の確認前です。somatic の行は、germline の原著で報告された病変部の第2ヒットなどで、体細胞バリアントの原著の整理はこれから進めます。
更新の記録
| 日付 | 内容 |
|---|---|
| 2026-10-16 | Germline に HHT・CM-AVM・脳海綿状血管奇形・家族性静脈奇形を追加。各遺伝子にかずさ遺伝子検査室の検査を表示 |
| 2026-10-16 | Germline 疾患別ページを公開(原発性リンパ浮腫・リンパ異常) |
| 2026-10-06 | ISSVA 分類の疾患と遺伝子の対応表を v1.3 に更新 |
| 2026-04-27 | Somatic の既知病原性バリアント(16 件)の ClinVar 分類を確認 |
病原性の判定は規則による仮判定を含み、研究班の確認前の内容です。訂正や追加の情報があれば、研究事務局([email protected])までお知らせください。
検索できる入力形式
| 入力形式 | 例 |
|---|---|
| 遺伝子名 | PIK3CA |
| 遺伝子名 + タンパク変化(1文字コード) | PIK3CA H1047R |
| 遺伝子名 + タンパク変化(3文字コード) | PIK3CA His1047Arg |
| rsID | rs121913279 |
| HGVS 表記(cDNA) | NM_006218.4:c.3140A>G |
| ClinVar Accession | RCV000013961 |
VA-EP Tier スコアリング
検索結果をもとに、公開データベースから自動で得られる情報で暫定スコアを計算し、Tier を表示します。研究班が策定中の VA-EP Framework v1.0 とは配点と Tier の区分が異なる簡易版です。
| Tier | スコア | 分類 |
|---|---|---|
| I-A | ≥ 10 | Pathogenic for VA(病原性確立) |
| I-B | 6〜9 | Likely Pathogenic for VA(病原性の可能性が高い) |
| III | 0〜5 | VUS(意義不明) |
| IV-LB | −1〜−6 | Likely Benign |
| IV-B | −6未満 | Benign |
本ツールはドラフト版の研究支援ツールです。最終的な病原性評価は、エキスパートパネルによる総合的な判断が必要です。
患者市民参画(PPI)
遺伝子の検査結果を、どう書けば伝わるか。どんな方法で受け取りたいか。研究の進め方を、患者さん・ご家族と一緒に考えてくださる方を募集します。
- 1血管腫・血管奇形ってどんな病気?診断・治療をわかりやすく説明します
- 2遺伝子を調べると、どうなるの?あなたに合った治療薬が見つかるかもしれません
- 3患者・市民参画に参加してみませんか研究って難しい?一緒に考えてみませんか?(この募集についてもご説明します)
対象:患者さん・ご家族、医療者・研究者、研究に関心のある方
患者・市民参画(PPI)とは
PPI(Patient and Public Involvement、患者・市民参画)は、研究を患者さんや市民の方と一緒に進める取り組みです。研究者だけで計画を立てて、結果だけを患者さんにお知らせするのではなく、研究の計画、進め方、結果の伝え方の各段階で、患者さんやご家族、一般の方から意見をいただき、研究に生かします。
日本医療研究開発機構(AMED)は、PPI を「医学研究・臨床試験プロセスの一環として、研究者が患者・市民の知見を参考にすること」と定義しています。ここでいう患者・市民には、患者さん、ご家族、病気を経験した方(サバイバー)、これから患者になるかもしれない方が含まれます。AMED は2019年に「患者・市民参画(PPI)ガイドブック」を公開し、医学研究に PPI を取り入れるよう研究者に求めています。英国では国の研究資金機関(NIHR)が早くから PPI を進めており、研究費の申請で PPI の計画を求めています。
研究のどの段階で関わるのか
「研究の対象者」との違い
| 研究の対象者として参加する | PPI メンバーとして参加する | |
|---|---|---|
| 立場 | 検査や調査を受ける人 | 研究の進め方に意見を述べる人(研究パートナー) |
| すること | 検体の提供、アンケートへの回答など | 資料を読んで意見を出す、オンライン会議に参加する |
| 遺伝子の検査 | 説明を受け、同意したうえで受ける | 受けません |
| 医学の知識 | 不要 | 不要(専門的な内容は研究班が説明します) |
| 始め方 | 主治医から説明を受け、同意書に署名する | このページから応募し、研究代表者と面談する |
なぜ患者さん・ご家族の意見が必要なのか
研究者は病気や遺伝子のことには詳しくても、検査結果の説明書が読む人にとって分かりやすいか、結果をどんな形で受け取りたいか、説明を受けたあとにどんな不安が残るかは、患者さんやご家族に聞かなければ分かりません。専門家にとって正確な説明でも、受け取る人に伝わらなければ役に立ちません。PPI は、その「伝わるかどうか」を、受け取る側の立場から確かめるための仕組みです。
もっと知りたい方へ(公式の資料)
- AMED「患者・市民参画(PPI)ガイドブック」 2019年4月公開。PDF(A3・A4)、テキスト版、英語版があります。2024年2月に「研究者向けの患者・市民参画(PPI)10か条」が加わりました
- AMED「基本的考え方」 PPI の定義と、研究者・患者さんそれぞれにとっての意義。解説動画もあります
- AMED「研究への患者・市民参画(PPI)」 学習教材や、AMED の研究班による取り組み事例へのご案内
- 英国 NIHR「Briefing notes for researchers: public involvement in NHS, health and social care research」(英語) 研究者向けの手引き
この研究班での取り組み
この研究班は、全国10の医療機関で、血管腫・血管奇形・リンパ管の病気(脈管異常)の原因となる遺伝子の変化を調べ、診断と治療に役立てる研究をしています。その中で、遺伝子の検査結果を患者さんやご家族にお返しする方法についても検討します。結果の説明書の書き方、受け取り方、説明を受けたあとに残る不安。これらを研究者だけで決めず、患者さんやご家族と一緒に考えたいと思っています。
募集の概要
- 募集人数
- 5名
- 対象
- 脈管異常の患者さん本人、ご家族(保護者の方を含む)、この病気に関心のある一般の方(原則18歳以上)。医学の知識は必要ありません
- 活動期間
- 2026年12月から。1年ごとに更新し、途中でやめることもできます
- 活動の場
- すべてオンライン(Zoom など)とメールです。全国どこからでも参加できます
- 謝金
- 参加1回につき 5,000円(年度内にまとめてお支払いする予定です)
- 締切
- 2026年11月30日(予定)
どんなことをするのか
月1回程度のオンライン会議(1回1時間ほど)で、研究班が作る資料を一緒に見て、意見を出していただきます。出られない回は、メールでの意見提出でもかまいません。主なテーマは、遺伝子検査結果の説明書の書き方、結果の返し方(書面・電子・オンラインでの説明)、アンケートの質問文、このホームページの内容などです。
このほか、年2回の患者・市民意見交換会と、年1回(年度末)の合同シンポジウムの企画にも加わっていただきます。いただいた意見を研究にどう反映したか、反映できなかった場合はその理由も、会議でご報告します。
よくある質問
応募方法
応募フォームに、お名前、ご連絡先、お立場(患者本人/ご家族/一般)をご記入ください。応募の理由などもあれば一言添えてください。メール([email protected]、件名「PPI応募」)でも受け付けます。
応募いただいた方には、研究代表者(小関)とオンラインで面談させていただき、そのうえでご参加をお願いします。面談の日程は応募後にご連絡します。応募が多い場合は、ご本人・ご家族・一般の方の人数や病気の種類に偏りが出ないよう、調整させていただくことがあります。
お問い合わせ岐阜大学医学部附属病院 小児科 PPI 事務局(小関 道夫)
電話:058-230-6386(平日 9時〜17時) メール:[email protected]
お知らせ
班会議、学会発表、論文掲載などの情報。
- サイト公開VA-EP 研究班の公式サイト(va-ep.org)を一般公開しました。研究のご紹介、対象疾患の解説、研究に関する情報公開文書、患者・市民参画(PPI)の募集情報を掲載しています。
- PPI研究パートナー(患者・市民参画 PPI メンバー)の募集を始めました(締切 2026年11月30日予定)。詳しくはこちら
- 市民公開講座10月25日(日)13:00〜15:00 にオンラインで市民公開講座「病気と遺伝子のことを知ろう!」を開きます(参加無料・後日配信あり)。お申し込み方法
- 研究登録UMIN 臨床試験登録システムに本研究を登録しました(UMIN000062837)。研究の概要、選択基準、評価項目を公開しています。
- 倫理審査岐阜大学大学院医学系研究科医学研究等倫理審査委員会において本研究が承認され、研究科長・病院長による実施許可を受けました(許可2026-169)。共同研究機関 9 機関は一括審査の対象です。
班会議や学会発表の予定が決まり次第、こちらに掲載します。
情報公開文書
倫理審査の承認状況と、研究への協力に関するお知らせ。
倫理審査承認情報
- 承認機関
- 岐阜大学大学院医学系研究科医学研究等倫理審査委員会
- 受付番号
- 2026-0442
- 審査区分・審査日
- 委員会審査/2026年9月2日
- 審査結果
- 承認
- 実施許可番号
- 許可2026-169(2026年9月2日付)
- 一括審査の対象
- 東北大学、慶應義塾大学、北海道大学、和歌山県立医科大学、大阪大学、大阪医療センター、信州大学、防衛医科大学校、埼玉県立小児医療センター
- 臨床試験登録
- UMIN000062837(2026年9月7日公開)
研究への協力のお願い(情報公開文書)
既存の試料・情報を利用する場合であって文書による同意を取得しない場合は、研究の実施について知り得る状態に置き、研究への利用を拒否する機会を保障しています。岐阜大学における情報公開文書は、岐阜大学医学部附属病院 小児科のウェブサイトおよび小児科外来の掲示により公開しています。
研究に用いる試料・情報
| 区分 | 内容 |
|---|---|
| 臨床情報 | 患者背景、臨床診断名(ISSVA 分類に基づく病型)、病変部位、発症年齢、進展速度、症状、合併症、家族歴、既往歴 |
| 画像情報 | MRI、CT、超音波等の画像所見 |
| 病理情報 | 病変の情報、病理組織所見、免疫染色所見 |
| 治療情報 | 治療歴(外科的切除、硬化療法、レーザー療法、IVR)、薬物療法歴(mTOR 阻害剤、PI3K 阻害剤、MEK 阻害剤等)、治療効果 |
| 遺伝子解析情報 | 検出された遺伝子変異、変異アレル頻度、検体種別・解析法、CD31 ソート前後の VAF、cfDNA 解析結果 |
| エキスパートパネル情報 | 実施日、検討内容、パネルによる診断名、治療変更の有無と内容、予後 |
| 患者アウトカム情報 | 遺伝子情報返却方式別の理解度、満足度、心理的負担(K6 日本語版・SDQ 日本語版)、返却方式の選択理由 |
試料・情報の保管および廃棄
組織検体は施錠可能な冷凍庫(−80℃)にて保管します。個人が特定されないように加工した研究関連情報は岐阜大学が管理する REDCap サーバーに保管し、解析用に導出したデータは外部ネットワークから切り離したコンピュータに保存します。対応表は各機関の研究責任者が施錠して保管し、研究代表機関へは提供しません。
研究終了後、試料は原則として論文発表後 5 年、研究の実施に係るデータ等は論文発表後 10 年保存し、岐阜大学の規則に則り廃棄します。
外部への試料・情報の提供
試料の送付は検体搬送専門業者を利用します。解析業務の一部を、サーモフィッシャーサイエンティフィック株式会社および株式会社 Cancer Precision Medicine に委託します。委託先には、個人が特定されないよう加工した試料・情報のみを提供します。
知的財産権と利益相反
研究から生じる知的財産権は研究者および共同研究機関に帰属し、研究対象者には生じません。研究の結果の解釈に影響を及ぼすような「起こりえる利益相反」は存在しません。本研究費はすべて AMED 研究費によって賄われており、民間企業から直接の資金提供は受けていません。
お問い合わせ
内容によって窓口が分かれています。
医療機関・研究者の方(症例登録・研究連携)
- 窓口
- VA-EP 研究班 研究事務局
- [email protected]
- 所在地
- 〒501-1194 岐阜県岐阜市柳戸1番1 岐阜大学医学部附属病院 小児科
- 受付時間
- 平日 9:00〜17:00(祝日・年末年始を除く)
- 返信目安
- 3〜5営業日以内
件名に「VA-EP 症例登録 問い合わせ」とご記入ください。緊急の医療相談には対応しておりません。
研究への参加辞退(オプトアウト)のお申し出
- 窓口
- 岐阜大学医学部附属病院 小児科 小関 道夫
- 電話番号
- 058-230-6386
- 所在地
- 〒501-1194 岐阜県岐阜市柳戸1番1
お申し出をいただいた時点以降、試料・情報を研究には利用いたしません。診療上の不利益が生じることは一切ありません。
研究に関する苦情・相談窓口
- 窓口
- 岐阜大学医学系研究科・医学部 研究支援係
- 電話番号
- 058-230-6059
- [email protected]
班員専用ページ
班会議の資料、手順書、各種様式の共有スペースです。研究班員と参加施設の担当者の方が対象です。
準備中です招待制で運用します。アクセスが必要な方は研究事務局([email protected])までご連絡ください。
置いてあるもの
- 班会議
- 開催案内、当日資料、議事録、エキスパートパネルの症例検討記録
- 標準手順書(SOP)
- 検体の処理法・保存法、送付手順、REDCap の入力マニュアル
- 各種様式
- 同意説明文書、検体送付依頼書、他機関への試料・情報等の提供に関する報告書(別紙3)
- 進捗
- 機関別の症例登録状況、解析の進捗、エキスパートパネルの開催予定
患者情報の取扱いについて班員専用ページおよび共有フォルダには、患者氏名・患者 ID・生年月日等の個人を特定できる情報を掲載しないでください。症例の共有は、個人が特定されないよう加工したうえで行ってください。
サイトポリシー
本サイトの目的
本サイト(va-ep.org)は、AMED 難治性疾患実用化研究事業「難治性脈管異常の個別化医療実現のための診断システムの構築」研究班(VA-EP 研究班、研究代表者:小関 道夫・岐阜大学大学院医学系研究科 小児科学)が運営しています。次のことを目的としています。
- 血管腫・脈管奇形(脈管異常)の患者さん・ご家族・医療従事者に、対象疾患と遺伝子診断について、できる限りわかりやすく正しい情報を届けること
- 本研究の内容・進捗を公開し、研究に関する情報公開文書を掲載すること
- 参加機関の医師・研究者に、症例登録や研究支援ツールの入口を提供すること
- 患者・市民参画(PPI)の取り組みを進めること
課題番号:26ek0109864h0001(AMED 難治性疾患実用化研究事業)/臨床試験登録:UMIN000062837
各コンテンツの情報について
内容は記載時点において研究班が吟味し、できる限り正確で役立つものを記載するよう心がけています。しかし、脈管異常はまれな疾患が多く、診断や治療法が確立されていないものを含みます。疾患と遺伝子の関係、診断、治療に関する知見は、今後の研究によって変わる可能性があります。随時更新するよう努めますが、最新ではない情報や誤りが含まれる可能性があることをご承知ください。診断や治療に関する判断は、必ず主治医にご相談ください。
疾患のイラストは、難治性血管腫・血管奇形薬物療法研究班(cure-vas.jp)の作成素材を使用しています。
Variant Scout(研究支援ツール)について
Variant Scout は、研究班員および参加施設向けの研究支援ツールです(試用期間中はパスワードにより利用者を限定しています)。表示される評価やスコアは研究用の暫定的な整理であり、病原性の最終判断や診療方針の決定は、エキスパートパネルによる総合的な検討と主治医の判断によります。また、表示する外部データベース(ClinVar、gnomAD など)の情報は各提供元に由来するものであり、その正確性を保証するものではありません。
運営環境について
- 本サイトは静的サイトとして Cloudflare Pages 上で運用しています
- Variant Scout は Vercel 上で運用しています
- お問い合わせ用メールアドレス([email protected])への送受信には Cloudflare のメール転送を利用しています
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患者・市民参画(PPI)への応募には Google フォームを、市民公開講座のお申し込みには Zoom を利用しています。これらの外部サービスにおける情報の取り扱いは、各サービスのプライバシーポリシーをご確認ください。
本研究で取得する試料・情報の取り扱いについては、情報公開文書のページをご覧ください。
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Variant Scout では、機能改善のために Vercel Analytics(Cookie 不使用)と、利用状況の集計(検索の回数や対象遺伝子名など。個人や施設を特定する情報は記録しません)を行っています。
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制定:2026年10月22日
VA-EP 研究班